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小倉千加子の「結婚の才能」を読みました、「結婚の条件」のほうがインパクトがあったと思うけど、それは数年前に先に「結婚の条件」を読んでいて小倉千加子の結婚についての分析が既に自分にとって内面化されたためだと思うのでまだ読んでない人はどっちも読んだらいいと思います、結婚について少しでも真面目に考える気持ちのある人なら、読んでおいて損はないと思いますし、ついでに岡田斗司夫の「フロン」もあわせて読むといいと思います。
「フロン」が面白いと思ったのは、「夫婦は子どもを育てるためのチームであり、子育て期間が終わったら離婚してもいいのでは」と言っていたところです。現代の日本人は一人暮らしの自由さを知ってしまっている、家庭を持ち他人と一緒に生活するのはなかなか難しいものである、無理して共同生活を送った結果として深刻な不具合が生じるよりは子育て期間だけでも夫婦で協力して、子育てが終わったら夫婦関係を解消してもいいんじゃないの、というような主旨だったと思うけど、本が手元にないので違うかもしれません、違ったらすみません。別に日本人が全員結婚前に一人暮らしをしているわけではないし、全ての夫婦が無理して共同生活を送っているわけではないのは当然だけれど、しかし、他人同士の共同生活は基本的にはものすごく困難なものである、ということは認識しておいたほうがいいと思います。その上で、「フロン」的な考え方を持っておく、というのは人生が楽になるのでいいのではないか。
大体現行の「結婚」というものはものすごく困難な要素を大量に孕んでいる。まず前提として「恋愛」があることになっている。昔(明治時代とか)は恋愛と結婚は関係なかったけど、なんかいつの間にかそうなった。でも世の中には恋愛をするような人ばかりではないから、恋愛関係なく結婚する場合もあるけど、主流は恋愛が前提のそれである。恋愛関係の中でお互いにとって結婚するのに適当である、ということになったら結婚するのだろうけど、「お互いにとって結婚するのに適当である」ということが成立するのが、まず困難であるし、そこについて詳しく書いたのが「結婚の条件」なんだけど、別に「結婚の条件」では恋愛が前提となっているわけではないけど、でも恋愛を前提としなくても結婚できるよ!という人は少数派だと思う。あと法律的に結婚するには、異性同士でないといけない。諸条件をクリアして、結婚したとしても、結婚後の共同生活には、経済活動、家事労働、冠婚葬祭時における親戚付き合い、等が含まれ、場合によっては、思想信条宗教の相違から軋轢が生じないこともないし、また結婚制度上、配偶者以外とセックスしてはならないことになっているし、そういう、いろいろのアレがある以上、結婚生活の維持がなかなか困難なものであるのは明らかなんだけど、そうした困難な要素を孕む「結婚」という事象を、「なんだかキラキラした素敵なもの」というイメージにしている結婚周辺のビジネスというのは、まじ害悪なんじゃねえの、と思っていたんだけど、「結婚の才能」の中には「結婚が幸福の象徴であるとされるのは、逆に結婚が女性にとって喪失を伴う重要な転機であり、『安全』で『幸福』な将来が保障されていると思わなければリスクが大きすぎるからである」という一文があって、なるほどなー!と思った、リスクを隠蔽しないと誰も結婚しないんですね。あと「結婚が喪失を伴う重要な転機」となるのは女性だけでなく男性にとっても同じだと思います。
そんで、わたしはみんなが幸せだったら結婚しようがしまいが離婚しようがなんでもいいと思うので、今みたいに離婚する人がいっぱいいるのは悪くないと思っているけど、一番問題なのは、「離婚すると食えなくなる人」が結構いることだと思います。離婚すると食えなくなる人、ってほとんどが「結婚こそ幸福の象徴であり結婚すれば生活の安全が保障される」って思って結婚したけど結局生活の安全が保障されなかったから結婚を解消せざるを得なかった人、でしょ?やっぱり結婚を必要以上にキラキラ飾り立てるのは害悪じゃねえかなー。
ちなみに、「結婚の才能」では、小倉千加子が女子学生に自分の結婚についての理想を書かせた結果なども取り上げられているのだけど、みんな、「理想の結婚式」を書いてくるんだって。確かに、友達の結婚式なんかに出ると、「わたしも結婚式がしたい!」と、このわたしですら思うし、どういうドレスが着たいか、どういうブーケを持ちたいか、どういう披露宴にしたいか、ということは妄想できる。個人的には、もし結婚式をすることになったら、ジンタらムータを呼んで演奏してもらいたい(ジンタらムータは結婚式での出張ライブを受け付けているのである)。「平和に生きる権利」とかをリクエストしたら来賓もドン引きであろう。

結婚の才能

結婚の才能

結婚の条件 (朝日文庫 お 26-3)

結婚の条件 (朝日文庫 お 26-3)

フロン―結婚生活・19の絶対法則 (幻冬舎文庫 お 26-1)

フロン―結婚生活・19の絶対法則 (幻冬舎文庫 お 26-1)

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