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小学三年生の頃、毎月「りぼん」を買っていました、三年生だからお小遣いは月に300円だったのに、390円のりぼんをどうやって買っていたのでしょう、当時からやりくり上手だったのでお年玉を貯めていたのだと思います、それで毎月りぼんを買っていた、当時は「ちびまる子ちゃん」がちょうどアニメ化された頃で、わたしは「ちびまる子ちゃん」の単行本も買っていた、月に300円の小遣いしかもらわないのに390円のりぼんを買い、さらに「ちびまる子ちゃん」の単行本も買っていたとなると、どれだけやりくり上手な女児であったか、おわかりになると思います。
ちびまる子ちゃん」の単行本の何巻かに収録されていた、「たかがディスコに行くだけで」というさくらももこの自伝的読みきり漫画があるのですが、その漫画のことがさっきまで読んでいた本(小倉千加子の「アイドル時代の神話」)に出てきており、子供の頃その漫画を読んだときの感想を思い出しました。さくらももこが高校生の時に友達からディスコの割引券かなんかをもらって、行こうかどうしようかを親に相談し、行くことに決め、ディスコに行ってカクテルを飲んで帰ってくる、店から出てきたら心配した両親が迎えに来ていて一緒に帰った。という話なのですが、この短篇は幼いわたしの心に様々な感慨をもたらしました。
まず「大人になったらディスコとかに行かなければならないのか……」と絶望的な気持ちになりました、ディスコがどんな施設なのかよくわからないのですが、音楽に合わせて踊りを踊る、というような、バカみたいなことをしなければならないようだし、そんなの辛すぎる、死にたい、と思いました、それから、大人になったらお酒を飲まなければならないようですが、酒の種類や名前を覚えることができるだろうか、ということに強い不安を覚え、また、これについては様々な文献にあたっていくうちに、「シチュエーションに適した酒を選択できなければオシャレではないらしい」ということがわかってきたので、名称すら覚えられるかわからないのにその中から適切なものを選択するだけのリテラシーを身につけなければならないとは、大人の世界厳しすぎるだろ、と打ちのめされました。また、作品中では、さくらももこは「遊び人の友達」からディスコのチケットをもらっていたけど、将来自分にそのようなものをもたらす友人ができるのだろうか、という点も非常に疑問でした、ディスコに行きたいとは思わない、しかし大人になるためにはそうした施設に足を運ぶことも必要であろう、自分のような人間がそうした場所に赴くには誰かの手引きが必要である、しかしそのような人物が身近に現れなかった場合、そうした施設とは無縁に年を重ねる可能性が高い、そうなるとまっとうな大人からは何か欠けた存在となってしまうのではないだろうか、わたしは普通の大人になりたいが、普通の大人になるために超えるべきハードルがあまりにも多すぎ、かつ高すぎるのでは……と悲観し、大人になるのがただひたすら恐ろしい、と思いました。あとそもそも家から歩いていけるような場所にディスコのような施設がある、ということにも驚きました、わたしの家から歩いていける場所にあるのは山だけです。一体どこにディスコ様の施設が存在するのか、全く想像もつきませんでした、当時は電車に乗るのも年に一度くらいの出来事であり、移動手段といえば自転車か、親の運転する自家用車のみでしたから。
そんな過剰に繊細な少女時代を生き抜いた結果、わたしは厚顔な大人に成長しました、趣味は酒を飲んで音楽に合わせて踊りを踊ることです、好きなお酒はワイルドターキーです。普通の大人になれたよ、よかったね!!!

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