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高校生のとき、「スカート丈が短い」というかどで学校の先生に呼び出され、一週間日替わりで色んな先生のお説教を食らう、ということがあった、わたしの通っていた高校では、校則で「女子のスカート丈は膝下10センチ」と決まっており、ときどき朝の登校時に校門のところで先生が定規を持って待ち構えていて、スカート丈が膝下10センチよりも短そうな女子をつかまえてスカート丈を測るのである、その検査に二回だか三回引っかかると、一週間のお説教コースとなる。
わたしが高校生のときというのは、今から12〜14年くらい前のことであって、ちょうど「コギャル」という言葉が生まれた頃であるから、世間のイメージだと女子高生はパンツが見えそうなほど短いスカートにルーズソックスを履いている、というものだったはずで、学校の先生がスカートの長さに過剰反応する気持ちもわからないではなかったが、ではわたしのスカートがどれだけ短かったか、というと、膝が隠れる程度の長さであった。
背が低いので、制服のスカートをそのまま着ると膝下10センチよりも長くなってしまうのだけれども、ウェストのところで何度か折り返すことによって長さを調整していた。それでもあからさまに膝が出るほど短くなってしまうと普段でも先生が飛んでくるので、誰もが膝がかくれる程度の長さに調節して学校内では過ごし、校外ではもっと短くする、というのが一般的だった。朝の検査があるときだけ丈を長くしてやりすごしていたのだと思う。
わたし自身は先生に怒られるのが嫌だとか、内心書に傷がついたら困るとか、そうしたことを特に感じなかったので、検査を巧妙にやりすごす、というところまで気が回らず、普段どおりの膝が隠れるくらいのスカート丈で登校し、その結果、検査に繰り返し引っかかって呼び出されることになった。よほどぼんやりしていたのだと思う。
月曜日から金曜日まで、毎日昼休みに指定された先生のところにわざわざ出向いて説教をされる、というのを、わたしはそれなりに真面目な生徒だったのでサボらずにきちんとこなしたのだが(そのうち一回は約束の時間に二、三分遅れたとかで更にものすごく怒られた)、五日間いろんな先生に叱られ続けても、自分がどれだけ悪いことをしたのか、というのは全く理解できなかった。校則を違反したので悪い、ということなのだろうが、そもそも「スカート丈は膝下10センチとする」という校則が、どのような根拠に基づいて作られたものなのか理解できない以上、それに違反することが何故悪いのか理解できるはずもない。ある先生は「お前一人のスカートが短いことで、それを見た校外の人から、あの学校の生徒はみんな服装がだらしないのだと思われるんだぞ」と言っていて、言わんとすることは勿論理解できるが、膝が隠れる長さのスカートを履いた女子高生を見て「まあ、あの学校の子はずいぶんスカートが短いのね」と思う人は現代日本社会にはいないのではないだろうか?などと余分な疑問が生じてしまい、不条理な思いが深まるのである。
また、他の先生は「規則で決められていることはなんであれ守らなければならないのだ」と言っていて、まあ立場上そう言うよりほかないんだろうなあ、と思い、もともと学校の先生の話を真面目に聞くタイプではなかったけど、ますます先生の話をきちんと聞こう、という気持ちを失った。
先日実家の家族と話しているときにこのことを思い出し、こんなことがあったよね、と言ったら、この件では親元に始末書のようなものを書くよう要請があったらしく、父親が「こんなくだらないことで大騒ぎするな」と書いて出したのだそうだ。わたしが行っていた高校は真面目で品行方正な生徒ばかりで特別悪いことをする生徒がいなかったので、先生も些細なことにあれだけの労力を割くことができたのだろう。スカート丈を定規で測るくらいしか生活指導の対象がなかったのだ(あと時々パーマや染髪をしていないかどうかのチェックもあった)。
そう考えると、平和の象徴のようなエピソードだけど、あのときに自分が感じた不条理は忘れがたいし、今でも乱交パーティーが摘発されたりしている(楽しく乱交をしているだけでも、公然わいせつ罪に問われるそうなのでかわいそう……)のを見ると、同様の気持ちになるし、君が代を起立して歌え、みたいな規則ができたりするのもまた同様の感じがして、規則を作るには「規則だから守らなきゃいけないの!」以外の説明がきちんとつく内容で作らないとなかなか守れないよねー、と思いました。

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