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女の出世道

ところでわたしも政経ではないが早稲田大学出身である。大学を卒業して、フリーターになって、紆余曲折の果てに今の会社に入った。という経歴からしてわかるとおり、上昇志向とかキャリア志向はない。今の仕事も続けたからって出世するような類のものではない。ただ専門的な仕事ではあるので、会社のほうも「女は年とったら辞めてください」「結婚したら辞めてください」「産休とったらあんたの席はもうないよ」などとは言わない。産休とっても育休とっても、いつでも復帰できるし、子供が生まれたから勤務時間を一時間短縮、とかにも応じてくれる。給料は安い。驚くほど安い。全然仕事に見合った金額ではないと思う。この給料なら普通に一般事務やっててももらえるんじゃねえか、と思う。でも一般事務だと潰しがきかないおそれがある。誰にでもできる仕事だと、会社のほうも「若くない女は早く辞めろ」と言うてくるおそれもある。それで転職しようとしても次の仕事がなかなか見つからないかもしれない。そういうのめんどくさいと思う。
そしてうちの会社は、女子の給料は安いがその分仕事量もそんなに多くない。残業も時期によるけど多くても月30時間、休みも多い。有休もかなり自由にとれる。ボーナスも夏冬あわせて六か月分くらいもらえる。仕事自体はかなりイヤな仕事なのだが、メリットを考えると、悪くないのかな、と思う。まあ精神的にタフな人じゃないとできないけどね。
それでわたしは、仕事自体はぜーんぜん好きじゃないけど、結婚しても辞めないだろうなあ、と思っている。子供ができても、辞めないだろうなあ、と思う。大変だと思うけど。たぶんわたしだけじゃなくてそこそこ有名な四年制大学を卒業した女の子は普通にそういうふうに思っているんだろうと思う。
でも女の子に比べて男の子というのはびっくりするほど保守的なので、同期の男子たちは「俺が女だったら結婚したら仕事辞めるわー、女の子はいいよねー」「結婚したら嫁には専業主婦になってもらいたい」とかゆってる。まあ世の中には専業主婦になりたい女子なんかゴマンといるから、彼らは望みどおり専業主婦の嫁を迎えればよいのだけど、それはともかくでも大学まで出て最終的に専業主婦になる、っていうのはちょっとヘンじゃない?て言うたら男の子は「でも大学出て銀行とか入ってそこで男みつけて結婚するのとか、いいんじゃないの」と言うのだった。でも男見つけるだけだったら派遣社員で入るのが一番いいと思うな。
「女の子の出世の道は二つある」。斎藤美奈子の「モダンガール」の帯に書いてあるコピーだけど、その、二つの出世の道、というのは「社長になるか、社長夫人になるか」っていうことなんだけど、どっちの道を選ぶかは当然個人の自由なのに、男の子側からは「社長夫人のほう」しか見えてないんだなあ、そうやって自分の首をしめていくんだね、男は。と思っておもしろい。
それでね、わたしは、とりあえず生活していくだけのお金はあるし、家事も自分でできるから、結婚しなくても困らないかなあ、って思ってる。でもやっぱりわたしも保守的な女なんだろうね、無職の男がやってきて、「家事全部やるから養っておくれ」と言われても養いたくないよね、自分の年収が倍くらいあったら考えなくもないのかもしれないけど、でもわたしの今の年収で妻子を養っている男なんていくらでもいるし。男女平等て難しいよね。

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