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今まで三十年生きていて、女に生まれて得をしたことはないけど、自分が女であることに不満や不便を感じたこともあまりなく、特別「女に生まれるんじゃなかったな」と思ったことはなかったのですが、妊娠して以降、「あ、女に生まれたのはちょっと失敗だったかも。。。」という気がしています、そりゃあ子供が欲しいから妊娠するようなことをしたのですが、妊娠ってこんなにもしんどいものなんですね、正直ナメてましたすいません、という感じです。
月経とかも結構しんどいもので、わたしは妊娠する半年前までピルを飲んでいたんですけど、これは避妊のためというより月経痛の緩和のためでした。もともと鎮痛剤が手放せない程度には月経痛があったけど、三年ほど前にそれが悪化し、月経痛と排卵痛とPMSで一ヶ月の大半が腹痛、という状態になり、医者にかかったけど特に病気も見つからず、低容量ピルを処方してもらったところ劇的に改善した、ということがあって、でもこれは薬でコントロールできることだったから自分の中ではノーカン、みたくなっていたけど、妊娠に関してはちょっとノーカンにできない、というか、男女の不均衡を感じる、というか、男女というより夫婦間の不均衡を感じざるを得ない、というのが正直な感想です。
人間は女が妊娠して出産するという生殖の方法をとっているので、女が自分の子供を得ようと思ったら、自分が妊娠するよりほかないわけですけども、女にとってこのシステムにベネフィットがあるとすれば、「生まれた子が確実に自分の子供であるとわかる」ということだと思います。逆に男の側には「生まれた子供が自分の子供でない可能性がある」というリスクがある。でも、一夫一婦制の現代日本においては、夫から見て信頼できる妻さえ得られれば、子供ができた時に「もしかして自分の子供ではないのでは?」というリスクは低い。もちろんその信頼性は確実なものではないだろうし、そういうことで揉める夫婦もたくさんいると思う(たまひよのQ&Aで「もし夫以外の男性の子供を妊娠した場合はどうする?」という設問がカジュアルにあった……)。でも、少なくともわたしはそのような不貞ははたらかないわけで、そうすると、少なくともうちの夫は、ノーリスクで自分の子供が得られる、ということじゃないか!羨ましい!ギギギ……
というのが、十ヶ月妊娠してみたわたしの素直な感想です。子供はできれば二人欲しいね、とかゆってるけど正直この十ヶ月をもう一度過ごすのか……と思うと気が遠くなりそうです、わたしが男だったら「子供はたくさんいたほうがいいよね!俺頑張って働くよ!」と無邪気に言えると思うのですが、いちいち自分で妊娠することを思うと、むりっす!サーセンwwwとなります。だからといって「女は大変な思いをして子供を産むのだから、男が賃労働に従事して家計を支えるのが当然!」という話になってしまうと、これはこれで女の首を締める結果になるわけで、それだけではこの不均衡は解消できない。たぶん根源的に解消不可能な問題なのだと思うので、わたしはギギギ、と言っているよりほかありません。夫は家事だってやっているしわたしが妊娠してお酒を飲めなくなってからは自分も家での飲酒をしないようになりました、妊娠出産について当事者意識の高い、大変できた夫です。これ以上何かしてほしいとか要求するべきことも不満に思うこともありません、羨ましいだけです。これを解消するにはもう宗教しかありません、母は偉大、母は素晴らしい、母になることこそ女に生まれた喜び、子供は無条件でお母さんが大好きだしお母さんにマジ感謝、みたいなやつですが、わたしは若いころにこの手の宗教を無効化するための書物をたくさん読んで真面目に勉強したので、残念ながら宗教にすがることもできません。
あと、経産婦の皆さんは軒並み口をそろえて「でも生まれてからのほうがもっと大変」と仰るのですが、そりゃあ大変だと思うけど、でも妊娠中は妊婦一人が子供に対して責任を負っている感じじゃないですか。飲食物だって制限があるし、妊娠中は体調だってずっと万全ではないし、わたしの場合幸いなことに大きなトラブルはなかったけど、でもつわりから始まっていまに至るまでずっと、不快か痛いか苦しい、という身体状況なので、早く産んで解放されたいけど、産むときはまた死ぬほど痛いっていう話だし、産んでからも裂けたり切ったりした会陰が痛いとか、授乳で乳首が痛いとか、痛いことばかりとは聞くけれども、赤ん坊の世話自体はもう誰でもできるわけだから、ここにきてやっと夫婦で分担する、ということが可能になるわけで、早くそのような状態になりたい、と思いますし、世の不貞をはたらかない妻をお持ちの夫の皆様におかれましては、ご自身の恵まれた境遇を是非とも自覚され、妊娠中の妻には最大限の気遣いをなさり、出産後は二人で仲良く育児をするといいと思いますよ!

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