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子供の世話は合理化できない

家事を合理化することについて書いたけれど(http://nejiko.hatenadiary.com/entry/2014/02/16/125229 )、どんなに家事を合理化省力化しても、子供の世話だけは合理化できません。朝できるだけ早く会社に行きたいのですが、子供に朝ご飯与えて支度させて保育園に連れて行く、というのがまず難関。
わたしと子供の一日の動きを時系列で説明してみます。ちなみに子供は現在一歳九ヶ月の女児、一歳半をすぎたあたりから扱いがややこしくなってきました。


5:15
起床、食洗機から出した食器を片付けつつ、朝ご飯の準備
5:30〜45
子供を起こす。一応起きるが、眠いのですぐには食卓につけない。五回くらい「朝ご飯食べよう!」と説得する。椅子に座ってからも、起きたばかりとあって、あんまり朝ご飯は食べない。
6:30
自分の支度をしつつ、子供の朝食を切り上げ、服を着替えさせ、濡れタオルで顔を拭くが、着替えを拒否される。どうしても着替えを拒否する場合は録画してあるアンパンマンを再生する。保育園の連絡帳を記入する。
7:00
この時間には玄関を出たい。しかしウンチをしていたりすると、その処理などもある。着替えはようやくしたが、上着を着なかったりする。冬物のアウターとして、花柄のキルティングジャケットを用意してあるが、着てくれない。色が紺だから嫌なのかもしれない。ピンクのペラペラのウィンドブレーカーとか、白いモコモコのケープなら進んで着るので、防寒としては微妙だけど大人しく着てくれるものを着せる。
やっと服を着た、と思いきや、靴を履くのを嫌がることもある。そのためピンクのアンパンマンの靴を買った。その日の気分で履きたい靴を選んでいるらしく、もうサイズアウトしかけたボロボロの靴じゃないと履かない、という時もある。嫌がるものを無理にさせようとすると怒り狂うので、できるだけやりたいようにさせるか、アンパンマンで気を逸らす。
最近は、娘が出がけにルンバのスイッチを入れることを覚えたので、わたしがルンバを起動させると地団駄踏んで怒り狂い「○ちゃんも〜!」というので一旦止めてスイッチを押させる。
玄関を出たら階段を降りる(エレベーターなしマンションの四階に住んでいます)が、これは抱っこで降りた方が早い。しかし抱っこすると怒り狂うので、自分で歩かせる。朝これから保育園に寄って出勤しようという時間に、階段を一歳児が一段一段、降りて行くのである。危ないから手をつなごうとすると嫌がるので、転んだらすぐに対応できるよう気を配りながら、見守る。ときどき「抱っこしようか?」と聞くが、大抵首を横に振られる。
やっと四階から駐輪場までたどり着くと、自転車に乗せるのだが、これを嫌がる。「キエエーー!!!」とか言って嫌がるので、何かアンパンマンの絵本やポケットティッシュなど、気をひくものを園バッグに忍ばせておき、持たせる。うまくいけば、それでおとなしくなって自転車に乗る。
7:25
保育園に到着。保育園はビルの三階にあるので階段を上る。これも抱っこでは嫌がる。保育園に上がるための階段が二つあり、その日の気分でどちらかを上るが、「っち!(意訳:こっち)」と言って片方を選んで一段上ってみて「っち!(意訳:あっち)」と言い出すこともある。一階分階段を上がるとセキュリティカードをピッとやるところがあり、ピッとやって園内に入るのだが、ピッとやるのを自分でやりたがるし、ドアを自分で開けたがるので、ピッとやらせる。
どうにか階段を上り、教室にたどり着く。教室に着いてさえしまえば、とっても聞き分けのよい子になって、言われるままに上着を脱ぎ、靴下を脱ぐため床に座る。行ってくるね、と声をかけると手を振ってくれるので、保育士さんには「ママが行くときも泣かなくてえらいねー」と褒められる。
7:35〜17:30
娘はたっぷり10時間を保育園で過ごす。お迎えに行くとニコニコしながら駆け寄ってきて、先生に頭を下げて挨拶をし、自ら靴下を履かせて貰うためにその場に座る。園内ではとってもいい子である。
保育園の玄関ではまず下駄箱にある他の子のアンパンマンを靴を触って「パン!パン!」と言う。娘の靴もアンパンマンなのだが、必ず他の靴に言及した上で、自分の靴を自分で出す。ここでわたしが先に出してしまうと怒り狂うので、決して出してはならない。靴を履くときも、右足から履くのか左足から履くのか、娘から指定された方から履かせなければならない。最近は自分で靴を履けるようになったので、履きたがるけど、左右逆に履いてしまうことも多く、そうなってしまった場合、正しく履き替えさせるのは至難の技だ。せっかく自分で履いた靴を脱がされたら娘が怒り狂うからである。だから左右逆のままにしておくこともある、左右逆に靴を履いている幼児を見かけたらそういった事情があると思って欲しい。
靴を履いたら階段を下りるが、これも朝と同様、自分で一段ずつ下りていき、あっちとこっちの階段の間でウロウロし、抱き上げると怒り狂う。なんとか階段を下りきると、今度は自転車に乗せるわけだが、やはりここでも「キエエー!」と絶叫されるので、アンパンマンの絵本を持たせる、ドキンちゃんのタッパーに入れたパンを与える、などして懐柔する。懐柔アイテムが何も無いと自転車に乗せることはたぶん不可能である。
18:00
帰宅。自宅マンションの階段を上る。これも自分で上りたがるが、結構無理やり抱っこして上ってしまうことも多い。怒り狂うけどもう家に帰るだけなので、その後の活動にさほど支障がないためである。階段を上って玄関前に着くと、インターホンを鳴らしたがるので、二回くらいインターホンを押させて鍵を開けて入る。鍵も自分で開けたがるが、鍵を持たせてなくしたら困るので触らせない。そのため家に入る頃には怒り狂っている。怒り狂う娘を玄関に置いてさっさと部屋に上がってしまうが、この時靴を脱がせたりするとまた怒り狂うので自分でさせる。うまく脱げないと靴を履いたまま部屋に上がってくるので、「お手伝いしようか?」と確認して「ウン」と言ったら靴を脱がせるのを手伝う。この時、スポッと靴を脱がせてしまうとまた怒り狂うので、「ちょっと引っ張ればすぐに脱げる」くらいの状態にしてやらなければならない。靴を脱いだら靴下も脱ぐ(娘は外出時しか靴下を履かない)。靴下も同様で、まず本人がトライして脱げなければ確認した上で手伝う。手伝った上でも自分で脱げたら「自分でできたねえ、すごいねえ、お姉さんだねえ」と褒める。ちなみに脱いだ靴下はなぜか靴下を入れている引き出しにしまってしまう、洗濯機に入れるように指導しているのだがまるで聞かず、また娘の見ているところで使用済み靴下を引き出しから出して洗濯機へ持って行くと怒り狂ってまた引き出しにしまわれてしまうので、見ていないときにこっそり出して洗濯機に入れておかなければならない。
その後はすぐに娘用の夕食の準備。冷凍ご飯を解凍して、昨日の残りの味噌汁を温め、作り置きのおかずや冷凍食品を出す。大人の食事の支度ができるまで待っていられないのだ。
お食事エプロンをかけようとすると嫌がったりするので、他の種類のものを見せ、好きなものを選ばせる。スプーンやフォークもこれはイヤとかあっちがいいとかがあるので、それも選ばせる。ご飯は食べる時はよく食べる。味噌汁をひっくり返したり、食べないおかずをテーブルにぶちまけて皿を空にして、食器を重ねて片付けようとしたりもする。娘は片付けるのが好きで、食べたあとの食器はすぐに片付けて欲しいらしい。食事のあとは食べこぼしで周囲が汚れるので、床とテーブルと椅子を拭く。
19:00
娘に食事をさせながらこちらは晩ご飯の準備をしているが、食事の後は割と機嫌がよくて一人で遊んでいるので、そのまま遊ばせ、こちらの作業のメドがついたらお風呂に入る。しかし娘はまだ遊びたいのでお風呂を嫌がる。「お風呂入ろうよー」と誘っても首を振られるばかり。こういう時はテレビを見ている隙に服を脱がせて、無理やり風呂に連行する。号泣するが、「このカップを並べるお仕事をしてね」とか言って仕事を発注すると泣きながら「あい」と言ってやり始める。娘はお手伝いが好きなので、仕事を発注すると大人しくなることがあるのだ。
なんとか風呂を済ませて出る。今度はオムツを履かない。素っ裸で走り回っている。無理やりはかせようとしても脱いでしまうので、本人がその気になるまで待つしかない。その気にならないようならアンパンマンを再生する。アンパンマンを見ている間は従順なので、その間にパジャマまで着せる。
次に歯みがきをさせる。自分でやりたがるので歯ブラシを持たせてやらせるが、娘は「お母さんがやってくれるように他の人にもしてあげたい」ので、こちらの口に歯ブラシを突っ込もうとしてくる。歯ブラシはそれぞれ決まったものを使うのである、ということを説明しつつ、なんとか歯みがきを終えると、今度はうがいをする。別にうがいがうまくできないうちはしなくてもいいのだが、娘がやりたがりうがい用のコップを指して泣きわめくのでうがいをさせる。10キロを超える娘を抱き上げ、水の入ったコップを持たせ、口に水を含ませる。少し前までは口に含んだ水をゴックンゴックン飲んでいたが、最近だいぶ上達して、口に入れた水を吐き出す、ということができるようになった。洗面台に吐き出させるが、うまくいかずに服がびしょ濡れになることもある。そもそも抱っこし続けるのも辛いので適当なところで床に下ろすが、娘が「まだうがいするのだ」という気分であれば、その場で水を床に吐き出してしまうので、床を拭かなければならない。
20:00〜21:00
その後は絵本を読んだり、布団の上で転がったりして一緒に遊ぶ。平日の生活で子供とまともに遊べるのはこの時間だけである。同じ絵本を何回も執拗に読まされる。小一時間遊んだら電気を消して就寝するが、すぐに寝るわけではない。平日の保育園帰りの日はかなり眠そうなのだけれど、寝付きがいい方ではないので寝かせるまでには様々な工夫が必要である。最近は、節分以来鬼が怖くなった娘のために、夜遅くまで起きて遊んでいると鬼が来るよ!早くお布団に隠れよう!と言って布団に誘導し、お布団の中でおめめをギューとしていれば鬼が来ても大丈夫だよ!という方便で静かにさせて寝かせているが、こういうやり方がいいのかどうかわからない。
スムーズに寝てくれればいいのだけど、時々、寝る間際になって突然ズボンとオムツを脱ぎ出すことがある。娘はトイレトレーニングに熱心なのだが(わたしは別に熱心ではないのだが、保育園が熱心にやってくれるおかげで、娘も熱心に自主トイレトレーニングに励んでいるのだ)、尿意を覚えるとオマルでオシッコをしに行くことがある。自ら尿意に気づいて服を脱ぎオマルを使うことは素晴らしいことではあるが、今にも寝よう、というタイミングでズボンを脱がれるのはやりきれない。しかし、「オシッコ出るのわかったんだねえ、すごいねえ」と褒めながらオマルでオシッコをさせる。このあとオムツを履かせるのも一苦労だし、オシッコが出てないオムツでも娘は一旦脱いだものを履きたがらないので、取り替えることになる。パンツ型オムツLサイズ、一枚27円。子供のオマル成功体験、プライスレス……。
そんなこんなで、最終的にはいつかは寝る。娘は一旦寝てしまえば、基本的には朝まで寝る。夜中にフギャー!とか言い出すことが毎晩三回くらいはあるけど、抱っこしてトントンすればまた寝る。寝かしつけができればとりあえず一日の育児は終了である。お疲れ様でした。


と言ったようなわけで、一歳九ヶ月児のキュートさと理不尽さが多少なりとも伝わったでしょうか、特に自己主張しなかった一歳半くらいまでは、こちらさえ早めに行動していれば時間通りに動けたものですが、あれこれ主張するようになって子供の意向に合わせているととにかく大変時間がかかります。といって子供の意向を尊重しないと更なる地獄が待っているし……。
(娘はわたしに対しては特にワガママ全開になるようで、夫がいるとだいぶ違います。保育園や実家など、預け先ではとてもいい子のようなので、ちゃんと相手を見て、外では頑張っているんだなあと思います)
子供の世話だけはどんなライフハックをもってしても、一発解決のソリューションはありません。しいて言えば、アンパンマンを毎週録画しておくことが大事です。一回のオンエアのアンパンマンを毎週十回近く再生することになります。アンパンマンがいなければ今頃わたしはノイローゼになっていたのではないでしょうか、やなせせんせい、ありがとう……!

アンパンマン大図鑑―公式キャラクターブック

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