七五三おめでとう
娘が3歳なので七五三の写真を撮った、ふつう七五三というと神社や寺などの宗教施設にお参りをするものだけど、私の実家は創価学会世帯なので神社や寺に出入りすることはいい顔をされないし、私も創価学会世帯で育ったので、神社や寺に出入りすることに抵抗があり、では創価学会世帯での七五三はどうするか、というと、創価学会の会館で七五三のお祝いをやるので、それに参加するのである。
私が子供の頃は、まだ創価学会が日蓮正宗から破門されていなかったから、3歳の七五三では家から近いところの日蓮正宗の寺に行った記憶がある。でも7歳の七五三では会館に行ったような気がする。行った先で千歳飴をもらったけど、もらった昔ながらの千歳飴より不二家の千歳飴(ピンクがいちごミルク味で、白がミルク味だった)の方がおいしくて、その後も七五三でないのに千歳飴を買ってもらった記憶もある。
さて、娘の七五三にあたっては、いずれの宗教施設にも出入りするのはパスして、写真だけ撮ることになった。着物は私が3歳の時に着たものが実家にあったので、それを娘に見せたら一言「着ない」と言われた、オレンジのような朱色のような色で、全体に細かい文様の入った、昭和レトロというよりは単なる昭和のダサい着物だったから、2015年を生きる女児に拒否されるのも無理はなかった。家の近くのスタジオマリオ(スタジオアリスみたいな写真館)で着物も借りて写真を撮ることにした。
娘は性格的に自分で選んだ服でなければ絶対に着ないだろうから、どんなトンデモ衣装を選ぶかと思い戦々恐々としていたけど、赤地に花柄の、特にスタイリッシュでもないけどごく普通の着物を選んだので驚いた、衣装は何着でも着替えてよいのだけど、娘がドレスも着たいというのでこれもどうせ下品なピンクのやつを選ぶんじゃろ……と思っていたらシックな茶色のベルベットのドレスを選んだのでまた驚いた、着替えもメイクも撮影も娘が全くグズらなかったのでつつがなく進行し、モニターで購入する写真を選んだ、これは夫と娘と3人で選んだが、モニターに2枚ずつ現れる写真を見比べながら娘が「みぎ!」とか「ひだり!」とか言うので娘の意見も尊重しながら選び、七五三は終了した。撮影する前は、夫婦で「そもそも七五三の写真なんて何カットも必要ないよね、昔はせいぜい1枚か2枚現像して持っとくだけだったし、それで困ったことなんか何もないんだから」と話していたけど、実際に夢のようにかわいい我が子の写真を100枚以上見ていると、どのポーズも捨てがたく、100枚の中からポーズごとのベストショットを選び、それでフォトブックを作成することになってしまった。冷静になって考えてみると、普段撮り貯めた写真をフォトブックにするのは合理的だけど七五三というテーマだけで殆ど一人の子供しか映っていない写真でフォトブックを一冊作るというのはバカの所業ではないか、という気がしてきた。フォトブック、早く完成しないかなあー!