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娘をもつメリット

妊娠中に「赤ちゃんの性別がわかった?」とか聞かれたときに「まだわからないんです」と言うと「男の子と女の子、どっちがいいとかある?」と聞かれて、「女の子がいいですねー」と答える、というやりとりが何度もあったのですが、そのあと、相手(主に女性)の反応として「そうだよね、女の子がいいよね、かわいいし、服とか買う楽しみもあるし、大きくなったら一緒にお買い物とか行けるし、お手伝いもしてくれるし、大人になったら一緒に旅行も行けるしね」と言うようなことをいわれることが多かったです。
確かにわたしは女の子が欲しかった、複数人生むとすれば一人は女の子が欲しい、と思っていました、なんでかというと、わたしは少女っぽいものが大好きなので、娘がいれば少女っぽいかわいい服や玩具や雑貨などを何ら後ろめたいことなく集めることができるのではないか?と考えていたからです。女の子が欲しい理由はそれだけで、娘がそういったものを好まない可能性だってあるし、ある程度大きくなったら(これは3〜4歳を想定)本人の好みで選ぶだろうし、そしたら好きにさせればいい、と思っていました。それだけの理由でした。まして、大人になったら一緒に旅行なんてとんでもない、自分が母親と旅行に行きたいか、と考えると、御免こうむりたい、としか思えませんから(一度だけ、母親と二人で旅行に行ったことがあるけど、もう行きたくない、と思いました)、そうしたことは全く望んでいません。

しかし、一般的に、女性が娘に期待する事項の中には、そういう、「将来は母娘で旅行」みたいなやつも結構あるのかな、と思い、かつ、身の回りの女性に聞くと大抵みんな「どちらかというと女の子が欲しい」と言うし、たまに「男の子と女の子、どちらでもいい」と言う人がいるくらいで、「どちらかというと男の子が欲しい」と言う人はいないんですよね、これはなんでなんだろうか。

で、考えてみたんですけど、「娘がいるとメリットが多い」のかなーと思いました。上で挙げたような、かわいい服を選べるとか、買い物や旅行に付き合ってくれるとか、そういう母親の趣味的な部分以外でも、家事の手伝いをしてくれる、結婚して孫ができたら気兼ねなく孫を連れて遊びに来てくれる(息子の嫁は実の娘ほど子連れで遊びに来ないということを、嫁であるお母さんは知っている)、親子の関係が良ければ近くに住んでくれる(結婚して子供ができると「妻の実家の近くに引っ越す」という夫婦は多い、うちもそうだし)、もし娘が離婚しても、孫つきで実家に戻ってきてくれる、高齢になって要介護となっても、きっと実の娘ならよく世話をしてくれるだろう……娘、便利すぎでは???

家父長制が有効だった頃は、跡取り息子がなによりも大事だし、結婚した娘は他家の嫁ですから、実家の親が使い倒したりするわけにはいきませんでした。現代日本社会では一般庶民の家庭において家父長制は死んだも同然、一般庶民の家庭では跡取り息子がいなくてもそんなにショックじゃないし、息子だと離婚したときに息子の元嫁に孫の親権をとられるけど、娘だったら孫つきで帰ってくる、娘を生んでよかった〜!と思っている親御さん、たくさんいるのではないでしょうか。

(前に、実家に遊びに行ったとき、近所のおっさんがうちの親に「娘が遠くに嫁に行って、向こうの両親と同居している、孫もいるけどなかなか遊びにきてくれない。うちの女房は、離婚して孫を連れて帰ってくればいいのに、と言ってるよ」と話していた、ということがあり、かねてから上記のようなことを考えていたわたしは、やはりそう思っている人いるんだなあ、と思いました。ちなみに、うちは弟がバツイチで、子供がいたけど離婚のときに親権を元妻が取得した、うちの両親は孫を引き取りたかったけどダメだった、という経緯があったので、「これが娘の生んだ子供だったら持っていかれずに済んだのに」ということを痛切に感じたんじゃないかと思うし、もしわたしが離婚して実家に戻るということになったら、結構喜ぶと思います。昔は離婚すると世間体がアレだったけど、いまは誰も彼もが離婚する時代なので、孫と縁が切れない前提なら親も離婚そのものにあまり真剣に反対しないと思う)

もともと日本の社会は母系だったのだ、という話もありますし、母系で繋がっていくのは確かに合理性もあり(嫁と姑で家事育児を回していくことの無理はよく知られている)、今後は母と娘の結びつきが強くなっていくのかなあと思いますが、家父長制から解放された女が実家に縛られ酷使されていくのはつらいなあ、と思います。わたしも娘を持つ母親ですが、娘に自分の人生を生きさせる、母親のために娘を使役しない、ということを常に自戒しないといけないなあ、と思います。

(念のため。子供を使役しない、ということは、家の手伝いをさせない、というような意味ではありません。家事の手伝いをさせる、というのは生活に必要な家事を教えるための教育ですし、もし大人になっても実家に留まるようなら、本人の収入から家賃や生活費を納めさせるようにします。これらは本人が自分の人生を生きるために最低限必要なことです)

最近母娘関係について書かれた本が多くて、わたしは数年前これを読んだのですが、その中に「多くの女性が『たまには母親を旅行でも連れて行ってあげなければ』と口にしており、世の中のこんなにたくさんの娘たちが、母親を旅行に連れて行ってやらなければならないと思っているのか、とびっくりした」みたいな記載があり、母と娘と旅行、というテーマを掘り下げたら面白そうだなあ、と思いました。わたしがお母さんと旅行に行ったときは、ツアーなのに集団行動からどんどん外れる、出てきた食べ物にいちいちケチをつける、すぐに疲れたとか言う、など、お母さんがめんどくさいワガママ女にありがちな行動ばかりとるので、心底うんざりしました(これはお母さんだからうんざりする、というよりも、めんどくさいワガママ女と一緒にいるとうんざりする、ということなのかもしれませんし、お母さんも娘と一緒だとワガママ性を解放する、という傾向があるのかもしれません)。
ちなみにこの本は母娘関係に悩んでいる女にあげたので、いまは手元にはありません。

母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き

母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き


あと、母娘関係に悩む人に真にオススメなのは笙野頼子の「母の発達」です。これは絶対に読んだほうがいいです。お母さんを脱構築しよう!

母の発達 (河出文庫―文芸コレクション)

母の発達 (河出文庫―文芸コレクション)


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