Sponsored Link

ホームパーティーに潜入す

友達に誘われてあるネットワークビジネス関連のホームパーティーに参加した。
むろんその友達は「ネットワークビジネスに関するホームパーティーだけど一緒にいかない?」と誘ってきたわけではないのだが、わたしは独自の調査でその友達がそういったビジネスにハマっていることを知っていたのでハナからそれがネットワークビジネスに関係した集いであることはわかっていたわけ。わかった上で行った。ヒマだったから。
さてそのネットワークビジネスで売っている商品は自然食材・食品と健康食品であるので、ホームパーティーではその食材を使って作られた料理が出されるのだが、パーティーの段取りがあまりよくなくて、約束の時間より遅れて到着したにも関わらず料理の準備が終わっていなかった。参加費として千円を支払ったのだが、見ず知らずの人に指図されて料理を皿に取り分けるなどのセッティングまでさせられる。
それは別にかまわないのだが、会場(というのは民家のリビングだが)の広さに比して人数が多すぎ、そのためただでさえ大量の料理を用意しなければならないのに狭い場所に人がひしめいていてしかも多くの人々はそれぞれ知人に誘われてやってきた知らない者同士であるから勝手もわからず右往左往しているありさまで、それを料理の準備に追われる主催者が「使えない小娘たちだこと!」と言いたげな顔で睨むのが鬱陶しい。誘われてやってきて千円巻き上げられた上にこの仕打ち……!
やっと料理がそろって食べ始めたと思ったら、なにしろネットワークビジネスなので、ビジネスをやってるほうの人々は商品の宣伝をしなければならず、一人一人立ち上がってこれら商品であるところの食材や健康食品を使ったところこんなに健康になった!という体験談を語り始める。最後に主催者サイドの人が具体的な商品の説明をして、会員になったらこれがいくらで買えます、会員になりたい人は申込書を記入して、とか言っておひらき。
商品自体は大変にけっこうなもので、わたしも買いたいと思うものがあったので、友達に「会員にならずに商品だけ購入することはできないのか?」と尋ねたところ、「そういう人はあまりいないのでわからない」と言われてしまった。

わたしとしては単なる通信販売感覚でモノだけ欲しいのだが、会員になるのはイヤだ。何故イヤかと言うたら会員になってしまうとほかの会員とも関わらなければならないだろうからで、ほかの会員の人々があのホームパーティーに集っていたような人々であれば、ああいった人々と関わるのは何卒ご勘弁願いたい、と思う。
あそこにいた人々は、いかにもみなさんいい人そうで、そりゃあわたしだって「いい人は、いいね」と思うけれど、ああいう、前向きで、元気いっぱいで、積極的な、自分たちはいいことをしているし是非とも他人にそれを広めたい、と信じてやまない、いい人、たち、に束になってかかってこられると、わたしなぞは、何故か生きる気力を奪われてしまうので、非常に困る。
こういう、いい人たちの束、というのはほかでもよくよく見知っていて、わたしの実家はある宗教の敬虔なる信者であるのだが、この宗教団体の人たちとそのネットワークビジネスの人たちは本当にそっくりなのだった「だまされたと思って試しにやってみて!」とか言うところまでそっくりだ)。みんな、いい人で、前向きで、積極的で、元気いっぱいで、毒気がなく、害意も感じられない。ちなみに害意がないのと実害がないのとはまた別の話だ。
その宗教団体と関わるのがイヤで実家からわざわざ逃げてきたのに、こういう類の人々が集まるところはほかにもあるんですね。世の中って奥が深いよね。そういう雰囲気が好きな人なら、片手間にやってみるのもいいと思う。

Sponsored Link