「魔法つかいプリキュア!」の話をします
2016年2月、娘ももうすぐ4歳になるし、「Go!プリンセスプリキュア」も熱心に見ていたし、次のプリキュアは私も家事の片手間でなくきちんと見ましょうかね、というくらいの軽い気持ちで、「魔法つかいプリキュア!」を視聴し始めたころには、まさか、「新機動戦記ガンダムW」「新世紀エヴァンゲリオン」という前世紀のアニメ作品のテレビ放映が終わって以来、死んだと思われていたキモオタ魂が地獄の釜を開いて蘇るとは、全く思っていなかったのですが、結果としては、もう「魔法つかいプリキュア!」のことしか考えられない、ということになりました。
「魔法つかいプリキュア!」はなんといっても二人のプリキュア、みらいとリコがかわいいすぎる、私は娘に「魔法つかいプリキュア!」の「リンクルステッキ」というおもちゃを買ってあげたのですが、「魔法つかいプリキュア!」を知らない人は「へえ、これで変身するのね」と言うのですが、違うのです、「魔法つかいプリキュア!」は変身するためにみらいとリコとぬいぐるみのモフルンが手を繋がなければならない、私は女児の親という立場なので、はじめにこの設定を知ったときには「ハァー、玩具を一個でも多く売るためにえげつない設定を盛り込んできますなァー」という感想だったのですが、この、「二人(+モフルン)でないと変身できない」っていうのが、毎回見ているとどんどん効いてくる、毎週毎週みらいとリコが手を繋いで(二人が手を繋ぐとき、「ギリッ」という力強い効果音が入るのだ!)「二人の奇跡!キュアミラクル!」「二人の魔法!キュアマジカル!」と名乗りをあげて変身する、まっすぐで明るいみらいとツンデレで見栄っ張りのリコ、妖精の赤ちゃん(はーちゃん)を授かって育てる二人、かわいすぎるモフルン、そしてエンディングのラブラブ感満載のダンス、魔法つかいプリキュアはみらいとリコの愛の物語、ねえ、このプリキュアって追加プリキュアはどうなるの……?
プリンセスプリキュアもハピネスチャージプリキュアも最終的に四人になった、でも魔法つかいプリキュアはこんなに「二人」であることを推しているからここからプリキュアを増やすのは無理では?あとからクラスメイトの誰かがプリキュアになるみたいなのは絶対無理では?という話を夫にしていたら、娘が「はーちゃんがいるでしょ!」と言いました、え、はーちゃんがプリキュアに⁈確かにみらいとリコが手塩にかけて育てた娘であるところのはーちゃんが成長してプリキュアになるのはアリかも、というかそれ以外あり得ないかも、なるほどねー。
満を辞して登場するキュアフェリーチェ、魔法つかいプリキュアはミラクルもマジカルも変身するとちょっと大人っぽくなるんだけど、フェリーチェは変身前後で顔だけでなく声も喋り方も性格も違う、まさにギャップが魅力、天真爛漫なはーちゃんに振り回されながら深まっていくみらいとリコの愛情、そして校長先生、序盤から「なにやらいい具合の長髪美形がおりますなあー」とは思っていましたけど、あのモフデレラ回で普段の銀髪から金髪に変わって王子様の役をやっており、そのためお母さんの脳が誤作動を起こして「金髪で長髪の王子様……もしやミリアルド・ピースクラフト様(私が中2の頃愛したガンダムWのキャラクター)では……?」となってしまった、今までみらいとリコがかわいいすぎて校長先生のことあまり気にしてなかったけど校長先生良すぎでは?(そして私はアニメの男の好みが前世紀の中2の頃から20年間ビタイチ変わってないのでは?)、校長先生はイケメン枠なのに全然イケメン扱いされてない、見た目はイケメン中身はジジイ、何十年も魔法を使わず力を蓄えていたはずなのに全然強くなくて、でもワシが世界と生徒を守るんじゃと老体にムチ打って頑張るけどすぐおじいちゃんになってプリキュアに助けられている校長、その校長に注目して後半の魔法つかいプリキュアを見ていると大変なことが起こる、41話でオルーバ様から攻撃されて日曜朝8時半から4歳女児と一緒に見るにはエロすぎるのでは⁈という顔になっている校長、そもそもオルーバ様自体日曜朝8時半には不適切なエロさ、そして伝説の45話、なんであと5話しかないのにここにきて巨大なBL砲をブッ込んでくるのか、私はただ純粋な気持ちでみらいとリコの愛の物語を応援していただけなのに、みらいとリコの愛の物語の裏には校長先生とクシィの愛の物語があっただなんて……⁈
魔法つかいプリキュア!45話は本当にすごい、和服姿の校長、コタツに入る校長、回想シーンに現れる若い頃の校長とクシィはイケメンが過ぎるし、少年時代の校長とクシィはかわいさが過ぎる(しかもかわいい少年が二人同じ布団に入っている)、窓辺でクシィを想うパジャマ姿の校長の美しさ、開始五分ほどでこれほどの校長ラッシュ、そこに登場する存在そのものがエロい敵のオルーバ様(常にヘソが出ている)(どう見てもドSの鬼畜キャラ)、色々あってオルーバ様は更にエロいお姿(上半身裸で下半身がなにかモフモフしている)に変化するのですがもうこれダメなやつじゃない⁈日曜朝8時半にはダメなやつじゃない⁈うちの娘にこんなエロい男を見せないでくれー!お母さんは校長先生のかわいさとオルーバ様のエロさに気をとられるばかりだけど物語としては魔法つかいプリキュア!の前半でプリキュアの敵だったドクロクシーの一味が後半の敵であるデウスマストの眷属に立ち向かうアツい展開、プリキュアによってオルーバ様はぶっ飛ばされて退場しオルーバ様に奪われていたクシィの魔導書を取り返す校長、そこにしたためられたクシィの想いを知って本を抱きしめ涙を流す校長、なるほど魔法つかいプリキュア!のヒロインは校長先生だったんや、手をつないで箒で空を飛ぶ少年時代の校長とクシィ、もう新しいプリキュアは校長とクシィで魔法つかいプリキュア二期をやろう?二人で伝説の魔法つかいプリキュアになろう?という気持ちしかない、校長かわいい、クシィがイケメン、オルーバ様エロい、という3種類の感情が代わる代わる打ち寄せ引退したはずの腐女子も蘇る、それが魔法つかいプリキュア45話。
そしてそこからの49話、魔法つかいプリキュア!の49話といったらとんでもない神回、死んだはずのクシィが現れて校長と手を繋ぐわ、フェリーチェが天体レベルに巨大化してミラクルとマジカルをパチンコ玉みたいに手のひらから発射して攻撃するわ、ラスボスのデウスマストはすぐ撃退しちゃうんだけどこれは魔法つかいプリキュア!なので敵に勝つのが重要な物語ではない、みらいとリコの二人がどうなるのか、そうこれはみらいとリコの愛の物語、デウスマストを退けたことで二人の世界は遠く離れてしまう、そしてリコのいない世界で大学生に成長したみらい、えっプリキュアなのに大人になった姿で登場するの⁈と思っているともっととんでもないことにこの美しく成長したみらいが木の枝を持って「キュアップラパパ!みんなに会いたい!キュアップラパパ!みんなに会いたい!」と叫ぶ、かつてプリキュアだった女の子が、今は使えない魔法の言葉を泣きながら叫ぶ、なにこれなんのプリキュアなのこんなに切ない日曜朝8時半のプリキュア、ある⁈
徹頭徹尾、魔法つかいプリキュア!はみらいとリコの愛の物語であり、その裏には校長とクシィの愛の物語があった、世界を守るためそして危険なことに親友を巻き込みたくないと一人で禁断の魔法の研究に身を投じて死んでしまったクシィ、それを止められなかったと何百年も悔やんでいる校長、世界を守るとかよくわからないけどずっとみんなと仲良しでいたい、という気持ちで戦い続けた結果世界を守ったみらいとリコ、なにもかも混ざり合った混沌とした世界を志向するデウスマストに対して「みんなそれぞれ違うから素敵なの!」と抗い世界の多様性を守ったプリキュア、それが「魔法つかいプリキュア!」という物語です、プリキュアシリーズは玩具を始めとした関連商品を売るためのコンテンツで対象が幼児だから、各方面からの様々な要求や制約があって今回のプリキュアは何人で何話で追加プリキュア出して何話で追加玩具出してと様々なことがあらかじめ決まっているのだろうし、そのような中でこんな美しい物語が成立したと思うと「魔法つかいプリキュア!」そのものが奇跡の魔法です、本当にありがとうございました、大好き!!!!!
あっ、キュアモフルンのことはまた別に書きます!