信仰の現場
15日は昨年末に亡くなった母方の祖父の新盆のため休みをとって、14日の夜から今日まで実家に帰っていました。まだ夏休みじゃないんです。わたしの夏休みは九月下旬なのです。
で、法要に出席し、母方の親戚とご飯を食べ、母の実家に寄って、そのあと、父の実家、というか本家に行った。父と母の実家は近い。なんせ二人は最寄駅のホームで出会ったのだ。
わたしの実家はとある新興宗教の敬虔なる信者であり、あまりにも敬虔すぎるため、わたしの家では信仰する宗教以外の「宗教っぽいもの」は徹底して排除されている。だからクリスマスにプレゼントもなく、初詣に神社にいくこともなく、おみくじをひくことも、お守りを買うこともない。わたしは実家の信仰する宗教には懐疑的な立場をとっているものの、そういう環境に育ったのでやっぱり神社仏閣やキリスト教などとは一般生活レベルでも距離を置いている。
で、父の実家、というか、本家であるが、この家は結構歴史が古くて、なんか鎌倉時代くらいからこの地域に住んでいたらしい。本家の今の当主はわたしの父の兄(つまりわたしの伯父)である。伯父は会社をやっていて、だから社長である。
この家が何を信仰しているのかはよくわからないのだが、仏間には仏壇があり、居間には神棚がある。居間の壁には皇室カレンダーがかかっていて、トイレにはいると「みつをカレンダー」がかかっている。この家では世間にさきがけてかなり早い段階から「みつをカレンダー」を導入している。仏間の鴨居には綾小路きみまろのサイン色紙があり、食卓のテーブルにはたぶん伯父が書いたのらしい格言じみたメモが入っている。この一家は全員名前を姓名判断に従って改名している。
よくわからないがある意味信心深い人なんだろうと思う。あるいは社長というのはそういうありがたそうなものが好きなのかもしれない、とも思う。父と伯父は兄弟だけど血はつながっていないので全然似たところがない。
本家の近所に先祖代々の墓があって、久しぶりにお墓参りをした。伯父と、伯父の孫である、わたしのイトコの子供と一緒に。鎌倉時代くらいからある家なので、墓石もいっぱいある。イトコの子供とも墓に眠る先祖代々の人々とも血縁関係はないのだが、みんな同じ苗字を共有しているわけで、家って不思議。