Sponsored Link

読んだ本

金色のゆりかご

金色のゆりかご

こういう小説は、好きです。星野智幸も好きです。ソウルフラワーユニオンも好きです。物語や音楽は、問題提起のための手段であってまったく差し支えないと思っています。昔はそういうのイヤだった、小説は純粋に芸術であってほしかった。でも小説は懐の広い表現手段ですから、そんなケチなこと言っていてはもったいない。
これは「妊娠小説(=望まない妊娠を書いた小説)」の一種ですけど、ほかの妊娠小説と違って「望まない妊娠」そのものをテーマとしています。若干教科書チックなところはあるけど、多くの人に読んでほしい、もっとみんな「望まない妊娠」についてマジメに考えるべきだと思います。
ひとつどうしても突っ込んでおきたいのは、ヒロインの「まりあ」という名前です。ベタに聖母のイメージにしたかったのでしょうけど、普通に考えて、あの母親が娘に「まりあ」なんていう名前をつけるでしょうか?まりあのキャラクター(頭が良くて、運動もできて、美しくて、学校では人気者、男にもモテるし、でも真面目で、家柄もよくて、家庭的で、母性的)も、女からみると「なんだかな」という感じですけど……物語の筋書き上、こういうパーフェクトなヒロインでなければいけなかったというのはわかるけどさ。

Sponsored Link