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読んだ本

斑猫 (1982年) (河出文庫)

斑猫 (1982年) (河出文庫)

富岡多恵子は天才だと思う、いま富岡多恵子の小説を読む人はあまりいないのかもしれないけど、本当はいま読まれるべきなんじゃないかという気がする。まあ読もうと思ってもなかなか手に入らないけどさ。でもたとえば星野智幸の小説が好きな人だったら、富岡多恵子の小説も絶対読んだほうがいい、こんなにラディカルな家族小説を書く人が三十年前からいたんだ!と思うよ。
「斑猫」も家族の小説で、母親が死んだ時のことについて書かれているけど、富岡多恵子の、親とか家族についてのものの感じ方に、わたしはとても共感する。「母親が無事に死んでよかった」とか。富岡多恵子はいつも「生まれてきたものはすべてカワイソーだ」とか「生まれてこないのが一番いい」と言っていて、それもすごくそう思う。
わたしは「家族」とか「親子」とか「夫婦」というものに異常に関心が高いのだけれど、そういうものを自明のものだと思えずになんだろうなんだろうと思ってしまうということは、そもそも家族に向いていないのかもしれない。

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