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女の人生について書かれた本を色々読んでおくと便利

対岸の彼女 (文春文庫)

対岸の彼女 (文春文庫)

角田光代の「対岸の彼女」という小説を読みました、7年前に一回読んでいたみたいで(このブログを検索したら読んだ記録があった)、再読です。
私は何を読んでも大抵内容をさっぱり忘れてしまうので、ミステリー小説であっても再び読むと新鮮な気持ちで楽しむことが出来ます。「対岸の彼女」についても、読んだ記憶はあるけど内容とかそれを読んでどう思ったのかとか、何もかも思い出せなかったので、新鮮な気持ちで読みました。

この小説は二人の女が主人公で、一人は3歳の娘がいる既婚の女、もう一人はその既婚の女が仕事を求めて面接を受けた会社の社長、どちらも同じ年(35歳くらい)で、意気投合して、専業主婦だった既婚の女は子供を保育園に預けて働き始めて、どうのこうの、という話です。
私も今年35歳になる既婚の女で、3歳の娘がいるのですが、7年前に初めてこの小説を読んだとき、何を思ったのかは思い出せないけど、たぶん「うへえ〜、結婚なんか、したくねえなあー!」と思ったんじゃないかな、と想像しました。そういう話です。

7年前、二十代の半ば頃、私は「結婚なんか、したくねえなあー!」と思って生きていましたが、何故かというと、この小説に出てくる既婚の女みたいな境遇(妻の仕事をバカにするし家事もろくにせず仕事から帰ってきたらビール飲んでテレビ見ているだけの、自分はキミと違って代わりのきかない仕事をしているから偉いみたいな態度で威張りくさっている夫との生活や、口を開けば嫌味しか言わないし「こんな小さい子供を保育園に預けて仕事に出るなんて信じられない」と何度も何度も執拗に言ってくる夫の母親に子供を預けなければならない状況、など)に置かれるのが絶対にイヤだったからです、それ以外にも幼児のいる生活の中でママ友付き合いがうまくできない、公園に行っても派閥とかあってうまく馴染めない、学校に行ってた頃も友達がうまくできなくてつらかった、みたいなことが書かれており、幼稚園から高校卒業に至るまでクラスメイトとの付き合いがうまくいった試しがない私は、この小説に限らず似たようなママ友問題を聞くにつけ、このような恐ろしい世界に身を置くことはできない……!結婚はしたくないけど子供はちょっと欲しいし適当なところで一人で子供を産んで保育園に預けて自分は働きながら育てよう……!という決意を新たにしていたので、たぶん、この小説を読んだときにも、そういう感想を持ったのだと思います。

実際に自分が結婚して子供を産んでみると、この小説の主人公である既婚の女に比べればはるかにイージーモードで、0歳から保育園に入れたし、夫は家事も家計も折半してくれるし、夫の母は優しく親切で女が働くのは当たり前だと思っているから「こんな小さいうちから保育園に預けるなんて」などとは死んでも言わないし、勤務先の人間関係も良好だし、ママ友いなくても死なないし、全くなんの悩みもない生活を送っているので、私は幸せだなあー、ツイてるなあー、と思いました、「対岸の彼女」自体は最後まで読むと明るい気持ちになれる素晴らしい小説なのでみんなも読むといいと思いました。


桐野夏生「ハピネス」

ハピネス

ハピネス

角田光代「森に眠る魚」

森に眠る魚 (双葉文庫)

森に眠る魚 (双葉文庫)


若い女の子は若いうちにこの三冊の小説を熟読して、女の人生について考えておくとあとあと効いてくるんじゃないかと思います!
「ハピネス」は読むと明るい気持ちになれる素晴らしい小説ですし、「森に眠る魚」は恐ろしい話なので読後は恐怖から解放されて安心した気持ちになれると思います!
ちなみに「ハピネス」の感想は前にも書いたのですが( http://nejiko.hatenadiary.com/entry/2014/11/21/174007 )、ハピネスを読む前に想像していた「ママ友同士の確執を描き、最後にお受験殺人が起こるようなおどろおどろしいお話」はむしろ「森に眠る魚」の方でした、本当に怖かったです。お母さんたるもの、確固たるアイデンティティをもってしっかり生きていかなければならないと思いました。
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